インプラントと入れ歯(義歯)の違い

インプラントは、あごの骨に人工歯根を埋め込んで、その上に歯を造るという治療です。

インプラントと、入れ歯・ブリッジでは、「人工歯根があるか・ないか」という点で大きく違います。 その他にも違いがたくさんありますので、ここで詳しく見ていきましょう。

入れ歯について

入れ歯 入れ歯には、部分入れ歯と総入れ歯があります。

「部分入れ歯」は、一部の歯を失った時に、その部分の歯茎の上に義歯を置きます。
「総入れ歯」は、あご全体の歯を失ったときに、歯茎全体にかぶせるように義歯を置きます。

入れ歯は、手術の必要もなく、歯を失ってすぐ制作に入ることができ、完成までの待ち時間が短くてすみます。 材質によっては健康保険が適用されるので、安価に作れます。

従来は、歯を失った際に入れ歯を選ぶのが一般的でした。
しかし、近年になって広まったインプラントと比べてしまうと、デメリットがたくさんあります。

入れ歯のデメリット インプラントなら・・・
歯根がないため完全には固定できず
噛み合わせをとるのが難しい
人工歯根に完全に固定されるため
噛み合わせを正確にとることができる
外して洗浄し、保管するなど、非常に
手間がかかる
外す必要がないので
自分の歯と同じように歯磨きなどのケアをする
ニオイがつきやすい ニオイのつきやすい柔らかい樹脂部分がなく
ニオイの心配がない
人前で外して洗浄できないため
清潔を保つのが難しい
職場の洗面所などでも
普通に歯を磨くことができるので、
清潔を保ちやすい
話すときカタカタ音がしたり
発音が不明瞭になりやすい
人工歯根に完全に固定されるため、
がたつきがなく、発音も問題なくできる
噛む力が本来の歯に比べて20%程度と小さく
固いものや粘りけのあるものが食べにくい
噛む力が本来の歯の80%程度まで
回復出来るので、不自由なく噛むことが出来る
歯茎などの粘膜が入れ歯で覆われているため、
食べ物の味や温度を感じづらくなり
食事を味わえなくなる
口の中に余計な物(金具や床)がないため
味も温度もよくわかり、
美味しく食べられる
入れ歯と歯茎の間に
食べ物が入り込むと苦痛を感じる
すき間がないので、食べ物が入ることはない
部分入れ歯は、周囲の歯に金具を
ひっかけて固定するため
健康な歯にも余計な負担をかけやすい
失った歯が1本だけでも
人工歯根ごと歯を植えるように入れるため
周囲の歯への影響がない
自分の歯と部分入れ歯の境目が目立ちやすく
他の人に入れ歯であることがわかってしまう
人工歯根ごと歯を植えるように入れるため
自分の歯と違和感がなく、高い審美性がある

実は、 数少ないながら、インプラントにもデメリットはあります。

手術が2回必要なこと(一般的に) 、そのためインプラントが完成するまでに期間が必要であること、健康保険が適用されないため高額になることが、インプラントのデメリットです。

しかし、よく考えてみましょう。

入れ歯はすぐ出来あがり、健康保険適用すれば安価に、簡単に入手できますが、それ以降はずっと、入れ歯のデメリットとともに過ごすことになります。

インプラントは、完成までに時間がかかり、お金もそれなりにかかりますが、それ以降は第三の歯を手に入れたかのように、また快適な生活を送ることが出来ます。
デメリットを感じるのは、インプント導入の時だけなのです。

「とりあえずは入れ歯で」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。
入れ歯でよく噛めない状況が続くと、あごの骨が萎縮して、小さく薄くなってきます。 インプラントは、あごの骨がしっかりしているほど、施術しやすいのです。

家を建てる時をイメージすると、わかりやすいかもしれません。
地盤がしっかりしていれば、一般的な基礎工事をするだけで済みます。
しかし、地盤が弱ければ、一般的な基礎工事の他に、補強したり、盛土したり、長い杭を打ち込んだり、より大規模な工事が必要となります。

あごの骨が萎縮してしまった場合でも、骨移植で補強してインプラントが可能となる場合が多いのですが、手術の規模は比較的大きくなります。
入れ歯にしている期間に萎縮が進むことを考えると、やはり、インプラントを検討するのは早いほうが良いのです。