インプラント コラム
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- 親知らずはいらない歯?
「親知らず」は、他の歯と比べて比較的遅い時期に生えてくる前から8番目の歯のことを言います。
赤ん坊の歯の生え始めと違い、多くの場合親元を離れてから生え始めるので、親が歯の生え始めを知ることはない。
そのため親知らずという名が付いたとか。また、乳歯が永久歯の「親」と考えると、親知らずには対応する乳歯が存在しないので、「親知らず:対応する乳歯が無い」と命名された…という説もあるそうです。
人によっては一生生えない、あるいは先天的に存在しない場合もありますが、親知らずを含めると、人間の永久歯は合計32本生えることになるんですね。
この親知らず、正常に生えて来れば問題ないのですが、親知らずによって口の中にトラブルも起きやすいという、少し厄介な歯でもあります。
今回は、知っているようで知らない、親知らずについてお話をさせていただきますね。
親知らずは、他の歯に比べて歯としての機能性が低いため、一般的には抜いたほうが良いと考えられています。でも、抜いたほうがいいといわれているのは、歯としての機能が低いからだけではないのです。実はお口の中のトラブルの原因になる場合もあるのです。
親知らずは真っすぐに生えう、傾いたり、半分歯ぐきに埋まった状態で生えることが多い歯です。(中には一生歯ぐきの中に埋まったままの人もいます)。 そのため、奥まで歯ブラシが届かずに磨き残しができ、歯ぐきが炎症を起こしたり、虫歯になることが多いのです。特に親知らずの虫歯は、親知らずのみにとどまらず、健康な近くの大臼歯まで感染してしまうことがあるので要注意。
妊娠中に感染症を起こしやすくなるというのも親知らずの特徴です。
ですから、将来出産しようと思われている女性の方は、早期の治療を要する場合があるので、予防のためにも早めに親知らず処置をかかりつけ医と相談されることをおすすめします。
親知らずは歯並びにも影響を与えます。
そもそも親知らずは、古代において、ものを噛むのに大切な歯としての機能を果たしていました。しかし時代が進むにつれ、食事が軟らかくなり、歯の存在価値が希薄化し、顎の縮小化(十分に発達せずに小さいままであること)が進みました。
そのため本来なら32本の歯が生えてくるべきスペースがなくなったのです。
顎が小さくなるとことで、狭いスペースに歯が生えようとして、他の歯を押してしまい、他の歯が歪んでしまうのです。また、正常方向であっても、スペースがないために少ししか歯の頭がでなかったりもします。
歯並びが悪くなると歯磨きがしにくくなりますし、かみ合わせも悪くなります。
磨き残しによって歯周病や虫歯を引き起こすだけでなく、かみ合わせの悪さによって肩こりや頭痛などを引き起こすこともあるんですね。
このようなお話をすると、「親知らず=要らない歯」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、人によっては口の中で親知らずがきちんと機能している場合もあります。
だから、「親知らず=抜かなければいけない歯」であるとは限らないのです。
ですから、親知らずが生えてきたら、かかりつけの歯科医院に相談し、周りの歯に悪い影響を与えないのか、きちんと歯としての機能を果たしているのかどうか見極めてもらった上で、処置をするのかを決めるようにしてくださいね。